ある夏の夜

僕と友人は夜ごはんに何を食べようか悩んだ。

まずは、ジャンル決めから。

候補にあがった幾多の食べ物から群を抜いて選出されたのが

[らーめん]

次は場所選び。

静岡―島田　の間で。

選ばれた場所は焼津のらーめん屋

僕にとって初めてのお店だ


この日は一際、空が暗かった記憶がある


着いたよ！

友人の言葉で僕は　はっ　とする。

顔を見上げると暗い中　ぼんやりと佇む一軒のお店。

お酒でほてったほっぺを軽くたたき

目を凝らして、その光をみつめる。

僕「・・・」

僕「・・・どやさっ？」

友「そうだよ」

続いて看板の上に目を移す

僕「はかた・・・しょう　ぐん」

友「そう！博多らーめん」


どやさっ＝京都
博多将軍＝博多



どんなラーメンかなと期待に胸をふくらませる。

店内に入るとカウンターとテーブル席が2つ。

券売機で　[タマユラーメン]　購入。

カウンターに座り、ビールをコップに入れ一気に流し込む

二杯目をいれた頃合で

らーめんが目の前におかれた

タマユラーメン

タマユ＝たまねぎ油　のことらしい。

あっさりとした豚骨にこの　タマユ　が

斬新かつ新しさを感じさせた。


ラーメンも食べ終わり、席を立つと

店主さんが　「おおきにっ！」　と関西弁で送ってくれた


どうやら、らーめんの味と　[京都]と[博多] 　の因果関係はなさそうだ

では、　[博多将軍らーめん　どやさっ]　の由来は？

悶々とした僕だったが、すぐに答えを知ることに至った

その答えは外の立て看板にあった


”博多生まれの大阪育ち”


店主さん自身の生い立ちね